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伝聞推定「なり」の使い方とポイントをマスターしよう!

 さて、今日は「なり」御三家のうちの一つ伝聞推定の助動詞だ。これが結構厄介で、「なり」の中で一番識別が難しい。細かい目安があるのでまずはそこからしっかりと覚えていこう。

 

 

伝聞推定の助動詞「なり」

【活用】 〇/なり/なり/なる/なれ/〇

【接続】 終止形(ラ変型は連体形)

【意味】 伝聞(~そうだ、~という) 推定(~ようだ)

 

 

 

 

 

例 

  秋風 に 初雁 が 音 ぞ 聞こゆ なる

 

① 直前の活用語の活用形を見る。

 

  聞こゆ → ヤ行 下二段活用 終止形(え/え//ゆる/ゆれ/えよ)

 

② 終止形に接続しているので伝聞推定「なり」

 

  訳 秋風に乗って初雁の声が聞こえるようだ

 

 

 

【ハイレベル】 

 直前の語が四段活用や上一段活用など終止形と連体形が同じ形になるものがある。そのような場合には次のように考えていこう。

 

 ① 「なり」の上に音や声がないか探す。あれば伝聞推定の訳をしてみる。

 

 ② 係り結びになっていないか探す。あれば伝聞推定の訳をしてみる。

 

 あくまでも目安なんでもし訳をしておかしければ断定の訳をしてみよう。最終的には訳してみるしかないんだ!

 

 

ポイント

 直前の活用語の活用形をみるだけの簡単なお仕事…ではないけれど、まずは活用形の判断。それでも無理な時は上のようにやってみよう。

 「なり」の識別は突き詰めると難しい。そこまで難しい問題が出まくるとも思えないが、入試必須の知識であることには変わりないのでしっかり覚えよう。

 伝聞か推定かを分ける目安は、声や音が近ければ推定で訳す。昔のことだったり噂だったりした場合は伝聞で訳す。入試では「伝聞推定」と一括りにされていることが多かったりする。

 

 

その他の「なり」については以下の記事参照。

 

halusann.hatenablog.com

 

halusann.hatenablog.com