徒然草「ある人、弓射ることを習ふに」の第二回目です。
適当に読み流すのではなく、しっかりと文法を見ていく癖をつけていきましょう。
読みながら助動詞や助詞の判別ができるようになれば完璧です。
そのレベルに達するまで頑張りましょう!
【本文】
道を学する人、夕べには朝あらんことを思ひ、朝には夕べあらんことを思ひて、重ねてねんごろに修せんことを期す。
いはんや、一刹那のうちにおいて、懈怠の心あることを知らんや。
なんぞ、ただ今の一念において、ただちにすることのはなはだ難き。
【品詞分解】
(第一文)
道 → (名詞)道徳、義理、道理、学問、仏教・儒教の教義、など
を → (格助詞)~を
学する → (サ行変格活用 連体形)学ぶ、修行する
人 → 名詞
夕べ → 名詞
に → (格助詞)~に
朝 → 名詞
あら → ラ行変格活用 未然形
ん → (婉曲 む 連体形)~ような 注1
こと → 名詞
を → (格助詞)~を
思ひ → ハ行 四段活用 連用形
朝 → 名詞
に → (格助詞)~に
は → 係助詞
夕べ → 名詞
あら → ラ行変格活用 未然形
ん → (婉曲 む 連体形)~ような
事 → 名詞
を → (格助詞)~を
思ひ → ハ行 四段活用 連用形
て → (接続助詞)~て
重ねて → (副詞)もう一度、再び
ねんごろに → (形容動詞 ナリ活用 連用形)親切だ、丁寧だ、心がこもっている、熱心だ
修せ → サ行四段活用 未然形
ん → (意志 む 連体形)~よう 注2
こと → 名詞
を → (格助詞)~を
期す → (サ行変格活用 終止形)期待する、覚悟する、予測する、決意する
(第二文)
いはんや → (副詞)言うまでもなく、まして
一刹那 → 名詞
の → (格助詞 連体格)~の
うち → 名詞
において → (連語)~で
懈怠(けだい) → (名詞)なまけ怠ること
の → (格助詞)~の
心 → 名詞
ある → ラ行変格活用 連体形
こと → 名詞
を → 格助詞
知ら → ラ行 四段活用 未然形
ん → 推量 む 終止形
や → 係助詞 反語
(第三文)
なんぞ → (副詞)疑問・反語を表す。
ただ今 → 名詞 注3
の → (格助詞 連体格)~の
一念 → (名詞)一瞬
において → (連語)~で
ただちに → (副詞)直接に、すぐに
する → サ行四段活用 連体形
こと → 名詞
の → (格助詞 主格)~が
はなはだ → (副詞)とても
難き → 形容詞 ク活用 連体形
【現代語訳】
(第一文)
仏道修行をする人は、夕方には明日の朝があるようなことを思い、朝には夕方があるようなことを思って、再び熱心に修行をしようということを決意する。
(第二文)
まして、一瞬で、なまけ怠る心があることに気づくだろうか、いや、気づかない。
(第三文)
どうして、今の一瞬で、すぐにすることがとても難しいのか。
徒然草「ある人、弓射ることを習ふに」その1はこちら↓ ↓ ↓
クリックにご協力ください。↓ ↓ ↓