嫌いな古文を好きになるためのブログ

古文の文法や単語をわかりやすく解説。たまに読んだ本の紹介もします。

【古典・古文】竹取物語 天の羽衣 その三 (品詞分解 現代語訳)

竹取物語・天の羽衣」第三回です。

文法的に特に難しい所はないので簡単に現代語訳できます。

しかし、自分の育てた娘が月に帰るとか言い出したら悲しいですよね…。

 

 

本文

翁答へて申す、「かぐや姫を養ひ奉ること二十余年になりぬ。片時とのたまふに、あやしくなり侍りぬ。また、異所にかぐや姫と申す人ぞおはしますらむ。」と言ふ。

 

 

 

 

品詞分解

翁 → 名詞

答へ → ハ行 下二段活用 連用形

て → 接続助詞

申す → (サ行 四段活用 連体形 謙譲語)申し上げる 注1

かぐや姫 → 名詞

を → (格助詞)~を

養ひ → ハ行 四段活用 連用形

奉る → (ラ行 四段活用 連体形 謙譲語 補助動詞)お~申し上げる

こと → 名詞

二十余年 → 名詞

に → (格助詞)~に

なり → ラ行 四段活用 連用形 注2

ぬ → (完了 ぬ 終止形)~てしまう、~てしまった、~た

片時 → (名詞)わずかの間

と → (格助詞)~と

のたまふ → (ハ行 四段活用 連体形 尊敬語)おっしゃる

に → (接続助詞 順接確定条件)~ので、~ところ、~と

あやしく → (形容詞 シク活用 連用形)不思議だ、奇妙だ、見苦しい、身分が低い

なり → ラ行 四段活用 連用形 注3

侍り → (ラ行変格活用 連用形 丁寧語)です、ます、ございます

ぬ →(完了 ぬ 終止形)~てしまう、~てしまった、~た

また → 副詞

異所(ことどころ) → (名詞)別の場所

に → (格助詞)~に

かぐや姫 → 名詞

と → (格助詞)~と

申す → (サ行 四段活用 連体形 謙譲語)申し上げる

人 → 名詞

ぞ → 係助詞

おはすます → (サ行 四段活用 終止形 尊敬語)いらっしゃる、おありになる

らむ → 現在推量 らむ 連体形 注4

と → (格助詞)~と

言ふ → ハ行 四段活用 終止形

 

注1 「、」の前は連用形だが連体形になっているので、体言が直後にあるものと考え、「こと」を補って訳す。
注2 「になり・となり・なりて」の「なり」は動詞(~になる)。
注3 形容詞の活用語尾「く」+「なり」は動詞(~になる)。
注4 係助詞「ぞ」の結びで連体形になっている。「ぞ・なむ・や・か」は連体形、「こそ」は已然形で文末を終える。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
現代語訳

翁が答えて申し上げることには、「かぐや姫を養い申し上げること二十数年になった。わずかの間とおっしゃるので、不思議になりました。また別の場所にかぐや姫と申し上げる人がいらっしゃるのであろう。」と言う。

 

 竹取物語 天の羽衣 その一・二・四・五」はこちら↓ ↓ ↓