「竹取物語・天の羽衣」第十回です。
敬語の部分が若干現代語訳しづらいですが、そこは慣れていくしかない。
しっかりと品詞分解して、古典を理解しよう!
「かくあまたの人を賜ひて、とどめさせ給へど、許さぬ迎へまうで来て、取り率てまかりぬれば、口惜しく悲しきこと。宮仕へつかうまつらずなりぬるも、かくわづらはしき身にて侍れば。心得ず思し召されつらめども。
かく → (副詞)このように
あまた → (副詞)たくさん
の → (格助詞 連体格)~の
人 → 名詞
を → (格助詞)~を
賜ひ → (ハ行 四段活用 連用形 尊敬語 本動詞)お与えになる、くださる
て → (接続助詞)~て
とどめ → マ行 下二段活用 未然形
させ → 尊敬 さす 連用形
給へ → (ハ行 四段活用 已然形 尊敬語 補助動詞)お~になる、~なさる
ど → (接続助詞)~けれども
許さ → サ行 四段活用 未然形
ぬ → 打消 ず 連体形
迎へ → 名詞
まうで来 → (カ行変格活用 連用形 謙譲語 本動詞)参上する、うかがう
て → (接続助詞)~て
取り → (接頭語)動詞に付けて語調を整える
率 → (ワ行 上一段活用 連用形)引き連れる、伴う、携える
て → (接続助詞)~て
まかり → (ラ行 四段活用 連用形 謙譲語 本動詞)退出する、おいとまする
ぬれ → (完了 ぬ 已然形)~てしまう、~てしまった、~た
ば → (接続助詞 順接確定条件)~ので、~ところ、~と
口惜しく → (形容詞 ク活用 連用形)残念だ、悔しい、物足りない、情けない
悲しき → 形容詞 シク活用 連体形
こと → 名詞
宮仕へ → 名詞
つかうまつら → (ラ行 四段活用 未然形 謙譲語 本動詞)お仕え申し上げる、「す、詠む、など」の謙譲語として文脈判断して訳す
ず → 打消 ず 連用形
なり → ラ行 四段活用 連用形 注
ぬる → (完了 ぬ 連体形)~てしまう、~てしまった、~た
も → 係助詞
かく → (副詞)このように
わずらはしき → (形容詞 シク活用 連体形)嫌だ、複雑でやっかいだ、めんどうだ
身 → 名詞
に → (断定 なり 連用形)~である
て → (接続助詞)~て
侍れ → (ラ行変格活用 已然形 丁寧語)です、ます、ございます
ば → (接続助詞 順接確定条件)~ので、~ところ、~と
心得 → (ア行 下二段活用 未然形)気づく、理解する、など
ず → 打消 ず 連用形
思し召さ(おぼしめさ) → (サ行 四段活用 未然形 尊敬語)お思いになる
れ → 尊敬 る 連用形
つ → (強意 つ 終止形)きっと、必ず、など
らめ → 現在推量 らむ 已然形
ども → (接続助詞)~けれども
「このようにたくさんの人をお与えになって、お引きとめなさるけれども、許さない迎えが参上して、(私を)引き連れておいとましてしまうので、残念で悲しいこと(です)。宮仕えをいたさないままになってしまったことも、このように複雑でやっかいな身でございますので。理解できないときっとお思いになられているでしょうけれども。
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