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【古典・古文】竹取物語 天の羽衣 その二 (品詞分解 現代語訳)

竹取物語・天の羽衣」第二回です。

ところどころ現代語しにくい部分があるので、しっかりと品詞分解して考えていこう。

 

 

 

 

本文

言はく、「なむぢ、幼き人。いささかなる功徳を、翁作りけるによりて、なむぢが助けにとて、片時のほどとて下ししを、そこらの年ごろ、そこらの黄金賜ひて、身を変へたるがごとなりにけり。かぐや姫は罪を作り給へりければ、かくいやしきおのれがもとに、しばしおはしつるなり。罪の限り果てぬれば、かく迎ふるを、翁は泣き嘆く。あたはぬことなり。はや返し奉れ。」と言ふ。

 

 

 

品詞分解

言はく → (ハ行 四段活用 未然形「言は」+接尾語「く」)言うことには

なむぢ → (代名詞)あなた、お前

幼き → (形容詞 ク活用 連体形)幼い、未熟だ 

人 → 名詞

いささかなる (形容動詞 ナリ活用 連体形)たいしたことない、わずかだ、ほんの少し

功徳 → (名詞)よい報いが受けられるような良い行い

を → (格助詞)~を

翁 → 名詞

作り → ラ行 四段活用 連用形

ける → 過去 けり 連体形

によりて → (格助詞「に」+ラ行 四段活用 連用形「より」+接続助詞「て」)~のために、~ので、~から

なむぢ → 名詞

が → (格助詞 連体格)~の 

助け → 名詞

に → (格助詞)~に

とて → (格助詞)~と言って、~と思って

片時 → (名詞)わずかの間

の → (格助詞 連体格)~の

ほど → (名詞)程度、身分、時間、間、ころ、など

とて → (格助詞)~と言って、~と思って

下し → サ行 四段活用 連用形

し → 過去 き 連体形

を → (接続助詞 逆接確定条件)~のに、~けれども、~のだが

そこら → (副詞)たくさん

の → (格助詞 連体格)~の

年ごろ → (名詞)長い年月、ここ数年もの間

そこら → (副詞)たくさん

の → (格助詞 連体格)~の

黄金 → 名詞

賜ひ → (ハ行 四段活用 連用形 尊敬語 本動詞)お与えになる、くださる

て → (接続助詞)~て

身 → 名詞

を → (格助詞)~を

変へ → ハ行 下二段活用 連用形 

たる → (完了 たり 連体形)~てしまう、~てしまった、~た

が → 格助詞

ごと → 「比況・例示 ごとし」の語幹 ~のようだ

なり → ラ行 四段活用 連用形

に → (完了 ぬ 連用形)~てしまう、~てしまった、~た

けり → 過去 けり 終止形

かぐや姫 → 名詞

は → 係助詞

罪 → 名詞

を → (格助詞)~を

作り → ラ行 四段活用 連用形

給へ → (ハ行 四段活用 已然形 尊敬語 補助動詞)お~になる、~なさる

り → 完了 り 連用形 注1

けれ → 過去 けり 已然形

ば → (接続助詞 順接確定条件)~ので、~ところ、~と

かく → (副詞)このように

いやしき → (形容詞 シク活用 連体形)身分が低い、みすぼらしい

おのれ → (代名詞)自分自身、わたくし、お前

が → (格助詞 連体格)~の

もと → 名詞

に → (格助詞)~に

しばし → (副詞)しばらくの間

おはし → (サ行変格活用 連用形 尊敬語)いらっしゃる、おありになる、おいでになる

つる → (完了 つ 連体形)~てしまう、~てしまった、~た

なり → (断定 なり 終止形)~である

罪 → 名詞

の → (格助詞 連体格)~の

限り → (名詞)期限、限度、など

果て → (タ行 下二段活用 連用形)終わる、死ぬ

ぬれ (完了 ぬ 已然形)~てしまう、~てしまった、~た

ば → (接続助詞 順接確定条件)~ので、~ところ、~と

かく → (副詞)このように

迎ふる → ハ行 下二段活用 連体形

を → (接続助詞 順接確定条件)~ので、~ところ、~と 注2

翁 → 名詞

は → 係助詞

泣き → カ行 四段活用 連用形

嘆く →  (カ行 四段活用 終止形)嘆く、悲しむ

あたは → (ハ行 四段活用 未然形)できる、合点がいく

ぬ → 打消 ず 連体形

こと → 名詞

なり → (断定 なり 終止形)~である

はや → (副詞)早く、さっさと

返し → サ行 四段活用 連用形

奉れ → (ラ行 四段活用 命令形 謙譲語 補助動詞)お~申し上げる

と → (格助詞)~と

言ふ → ハ行 四段活用 終止形

 
注1 完了・存続の「り」が時代によって命令形に接続するとか正直どうでもいいと思う。おとなしく「サ変の未然形・四段の已然形接続」と覚えよう!
注2 「を」は意味で判別するしかなく、格助詞、接続助詞どちらでもよくね?って場合がある。正直どちらでもいいと思う。そんなグレーゾーンは出題されない。今回も格助詞と考えて、「迎えに来たことを」としても意味は変わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

現代語訳

言うことには、「お前、未熟な人よ。ほんの少しの功徳を、翁が行ったので、お前の助けにと思って、わずかの間と思って下界におろしたのだが、たくさんの年月の間、たくさんの黄金をお与えになって、人が変わったようになってしまった。かぐや姫は罪をお作りになってしまったので、このようにみずぼらしいお前のもとに、しばらくの間いらっしゃったのである。罪の期限が終わったので、このように迎えに来ると、翁は泣いて悲しむ。どうしようもないことである。さっさとお返し申し上げよ。」と言う。

 

 

竹取物語 天の羽衣 その一・三・四・五」はこちら↓ ↓ ↓

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