品詞分解して、その単語が何であるかを考えるときに非常に迷うものがある。
「なり」や「に」はしっかりと識別法を覚えていない人にはきつい。
「て」も接続助詞なのか完了・強意の助動詞「つ」の未然形なのかなかなか悩ましい。
ただ、古典は形で決まるものが多くある。
しっかりと形を覚えていれば悩まずに済むんだ。
今回は、完了・強意の「て」の形を覚えていこう!
【重要】
「てむ・てき・てけり・てまし」の「て」は完了・強意の「つ」の未然形「て」
【例】
「悪しく申してけり。さらば御前をば『こでらのこぞう』とこそ申すべかりけれ。」(今昔物語)
【品詞分解】
悪しく(あしく) → 形容詞 シク活用 連用形
申し → (サ行 四段活用 連用形 謙譲語)申し上げる
て → (完了 つ 連用形)~てしまう、~てしまった、~た
けり → 詠嘆 けり 終止形 注1
さらば → (ラ変「然ら」+接続助詞「ば」)それならば
御前 → 名詞
を → 格助詞
ば → (係助詞)「は」が濁音化したもの。「をば」で「~を」と訳す。
こでらのこぞう → 名詞
と → (格助詞)~と
こそ → 係助詞
申す → (サ行 四段活用 終止形 謙譲語)申し上げる
べかり → (適当 べし 連用形)~がよい
けれ → 詠嘆 けり 已然形 注2
【現代語訳】
「悪く申し上げてしまったなあ。それならば、あなたを『こでらのこぞう』と申し上げるのがよいでしょうなあ」
【ポイント】
形を覚えるだけの簡単なお仕事。
知らない人はいちいち品詞分解して、接続とかいろいろ考えてやるんだろうけど、形さえ覚えていればそんなことする手間も省ける!
知識をしっかりと身につけ、他の人との差をつけていこう!
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