嫌いな古文を好きになるためのブログ

古文の文法や単語をわかりやすく解説。たまに読んだ本の紹介もします。

【古典・古文】完了・強意の助動詞「つ」の未然形「て」を一瞬で見分ける方法

品詞分解して、その単語が何であるかを考えるときに非常に迷うものがある。

「なり」や「に」はしっかりと識別法を覚えていない人にはきつい。

「て」も接続助詞なのか完了・強意の助動詞「つ」の未然形なのかなかなか悩ましい。

ただ、古典は形で決まるものが多くある。

しっかりと形を覚えていれば悩まずに済むんだ。

今回は、完了・強意の「て」の形を覚えていこう!

 

 

 

 

 

 

【重要】

「てむ・てき・てけり・てまし」の「て」は完了・強意の「つ」の未然形「て」

 

 

 

【例】

「悪しく申してけり。さらば御前をば『こでらのこぞう』とこそ申すべかりけれ。」(今昔物語)

 

 

 

【品詞分解】

悪しく(あしく) → 形容詞 シク活用 連用形

申し → (サ行 四段活用 連用形 謙譲語)申し上げる

て → (完了 つ 連用形)~てしまう、~てしまった、~た

けり → 詠嘆 けり 終止形 注1

さらば → (ラ変「然ら」+接続助詞「ば」)それならば

御前 → 名詞

を → 格助詞

ば → (係助詞)「は」が濁音化したもの。「をば」で「~を」と訳す。

こでらのこぞう → 名詞

と → (格助詞)~と

こそ → 係助詞

申す → (サ行 四段活用 終止形 謙譲語)申し上げる

べかり → (適当 べし 連用形)~がよい

けれ → 詠嘆 けり 已然形 注2

 

注1 会話文中の「けり」は詠嘆から入る。
注2 係助詞「こそ」の結びで已然形になっている。意味は強意だが、特に訳をする必要はない。「ぞ・なむ・や・か」は連体形で、「こそ」は已然形で文を終える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【現代語訳】

「悪く申し上げてしまったなあ。それならば、あなたを『こでらのこぞう』と申し上げるのがよいでしょうなあ」

 

 

 

 

【ポイント】

形を覚えるだけの簡単なお仕事。

知らない人はいちいち品詞分解して、接続とかいろいろ考えてやるんだろうけど、形さえ覚えていればそんなことする手間も省ける!

知識をしっかりと身につけ、他の人との差をつけていこう!

 

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