嫌いな古文を好きになるためのブログ

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【古典・古文】逆接の意味があるの?接続助詞「て」

接続助詞の「て」は基本的に「~て」と訳すのであまり気にすることはない。

ただ、逆接の意味があることを知っている人は非常に少ない。

あまり出てくるものではないが、いざという時のために頭の片隅にでも入れておこう。

 

 

重要

接続助詞「て」 → ~のに、~けれども、~のだが

 

 

 

かの白く咲けるをなむ、夕顔と申しはべる。花の名は人めきて、かうあやしき垣根になむ、咲きはべりける。」(源氏物語・夕顔)

 

 

 

 

品詞分解

かの → (代名詞「か」+格助詞「の」)あの、その

白く → 形容詞 ク活用 連用形

咲け → カ行 四段活用 已然形

る → 存続 り 連体形

を → (格助詞)~を

なむ → 係助詞

夕顔 → 名詞

と → (格助詞)~と

申し → (サ行 四段活用 連用形 謙譲語)申し上げる

はべる → (ラ行変格活用 連体形 丁寧語)です、ます、ございます 注1

花 → 名詞

の → (格助詞 連体格)~の

名 → 名詞

は → 係助詞

人めき → (カ行 四段活用 連用形)人間らしく見える

て → (接続助詞 逆接確定条件)~のに、~けれども、~のだが

かう → (副詞)このように

あやしき → (形容詞 シク活用 連体形)不思議だ、奇妙だ、見苦しい、粗末だ、身分が低い 注2

垣根 → 名詞

に → (格助詞)~に

なむ → 係助詞

咲き → カ行 四段活用 連用形

はべり → (ラ行変格活用 連用形 丁寧語)です、ます、ございます

ける → 詠嘆 けり 連体形 注3

 

注1 係助詞「なむ」の結びで連体形になっている。「ぞ・なむ・や・か」は連体形で、「こそ」は已然形で文を終える
注2 「あやし」は漢字で書くと、「怪し・奇し」と「賤し」に分かれる。「見苦しい、粗末だ、身分が低い」と言う意味になるのは後者だ。
注3 係助詞「なむ」の結びで連体形になっている。会話文中の「けり」は詠嘆から訳してみる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
現代語訳

「あの白く咲いている花を、夕顔と申し上げます。花の名前は人の名前のようであるけれども、このように粗末な垣根に咲くのですなあ。」

 

 

 

 

ポイント

文脈から判断しないといけないちょっと厄介なお仕事。

基本的には「~て」と訳しておけばいいが、どうしても合わないときは逆接で現代語訳をしてみよう。

ただ、気にするほど出てくるわけでもないので、最初に言った通り頭の片隅に入れておく程度でオッケー!

 

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