枕草子「五月ばかりなどに山里に歩く」第二回です。
品詞分解で難しいところも特になく、現代語訳がかなりしやすい作品ですね。
しっかりと練習して行きましょう!
【本文】
左右にある垣にある、ものの枝などの、車の屋形などにさし入るを、急ぎてとらへて折らむとするほどに、ふと過ぎてはづれたるこそ、いと口惜しけれ。
蓬の、車に押しひしがれたりけるが、輪の回りたるに、近ううちかかりたるもをかし。
【品詞分解】
(第一文)
左右 → 名詞
に → (格助詞)~に
ある → ラ行変格活用 連体形
垣 → 名詞
に → (格助詞)~に
ある → ラ行変格活用 連体形
もの → 名詞
の → (格助詞 連体格)~の
枝 → 名詞
など → 副助詞
の → (格助詞 主格)~が
車 → 名詞
の → (格助詞 連体格)~の
屋形 → (名詞)牛車で屋根のついた人が乗るところ
など → 副助詞
に → (格助詞)~に
さし入る → (ラ行 四段活用 連体形)入る
を → (格助詞)~を
急ぎ → ガ行 四段活用 連用形
て → (接続助詞)~て
とらへ → ハ行 下二段活用 連用形
て → (接続助詞)~て
折ら → ラ行 四段活用 未然形
む → 意志 む 終止形
と → (格助詞)~と
する → サ行変格活用 連体形
ほど → (名詞)身分、距離、広さ、頃、時、間、うち、様子、など
に → (格助詞)~に
ふと → (副詞)簡単に、さっと、突然
過ぎ → ガ行 上二段活用 連用形
て → (接続助詞)~て
はずれ → ラ行 下二段活用 連用形
たる → (完了 たり 連体形)~てしまう、~てしまった、~た
こそ → 係助詞
いと → (副詞)とても
口惜しけれ → (形容詞 シク活用 已然形)残念だ 注
(第二文)
蓬(よもぎ) → 名詞
の → (格助詞 同格)~で 注
車 → 名詞
に → (格助詞)~に
押しひしが → ガ行 四段活用 未然形)押しつぶす、押さえつける
れ → 受身 る 連用形
たり → (存続 たり 連用形)~ている
ける → 過去 けり 連体形
が → (格助詞)~が
輪 → 名詞
の → (格助詞 連体格)~の
回り → ラ行 四段活用 連用形
たる → (完了 たり 連体形)~てしまう、~てしまった、~た
に → (格助詞)~によって
近う → 形容詞 ク活用 連用形 ウ音便
うち → 接頭語
かかり → (ラ行 四段活用 連用形)寄りかかる、さしかかる、関係する、迫る、ちらつく、出くわす、など
たる → (存続 たり 連体形)~ている
も → 係助詞
をかし → (形容詞 シク活用 終止形)趣がある、おもしろい、すぐれている、かわいらしい
【現代語訳】
(第一文)
左右にある垣根にある、何かの木の枝などが、牛車の人が乗る部分に入るのを、急いでとって折ろうとするときに、さっと通り過ぎて外れてしまったのは、とても残念だ。
(第二文)
蓬で、牛車に押しつぶされている蓬が、車輪が回っていることによって、近くに香りがただよってきたのも趣がある。
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