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【古典・古文】伊勢物語「筒井筒」 現代語訳・品詞分解 その4

伊勢物語の「筒井筒」の品詞分解、現代語訳の第四回です。

 

 

 

 

 

【本文】

喜びて待つに、たびたび過ぎぬれば、

  君来む言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬもの恋ひつつぞ経る

と言ひけれど、男、住まずなりにけり。

 

 

 

 

【品詞分解】

喜ぶ → バ行 四段活用 連用形

て → (接続助詞)~て

待つ → タ行 四段活用 連体形

に → (接続助詞 逆接確定条件)~のに、~けれども、~のだが

たびたび → 副詞

過ぎ → ガ行 上二段活用 連用形

ぬれ → (完了 ぬ 已然)~てしまう、~てしまった、~た

ば → (接続助詞 順接確定条件)~ので、~ところ、~と

君 → 名詞

来 → カ行変格活用 未然形

む → 意志 む 終止形

と → (格助詞)~と

言ひ → ハ行 四段活用 連用形

し → 過去 き 連体形

夜ごと → (名詞「夜」+接尾語「ごと」)接尾語「ごと」がついて、「~たびに、いつも」という意味になる。ここでは「夜のたびに」と訳す。

に → (格助詞)~に

過ぎ → ガ行 上二段活用 連用形

ぬれ → (完了 ぬ 已然形)~てしまう、~てしまった、~た

ば → (接続助詞 順接確定条件)~ので、~ところ、~と

頼ま → (マ行 四段活用 未然形)信用する、信頼する、あてにする、頼る

ぬ → 打消 ず 連体形

ものの → (接続助詞)~けれども 注1

恋ひ → ハ行 上二段活用 連用形 

つつ → (接続助詞)~ながら、~し続けて、~しまた~する

ぞ → 係助詞

経る(ふる) → ハ行 下二段活用 連体形 注2

と → (格助詞)~と

言ひ → ハ行 四段活用 連用形

けれ → 過去 けり 已然形

ど → (接続助詞)~けれど

男 → 名詞

住ま → マ行 四段活用 未然形

ず → 打消 ず 連用形

なり → ラ行 四段活用 連用形 注3

に → (完了 ぬ 連用形)~てしまう、~てしまった、~た

けり → 過去 けり 終止形

 

注1 接続助詞「ものの」についてはこちらの記事をそうぞ。

halusann.hatenablog.com

注2 係助詞「ぞ」の結びで連体形になっている。「ぞ・なむ・や・か」は連体形で、「こそ」は已然形で文を終える。
注3 動詞「なる」の識別についてはこちらの記事をどうぞ。

halusann.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【現代語訳】

(高安の女は)喜んで待つけれども、その度に過ぎてしまったので、

  あなたが来ようと言った夜がそのたびごとに過ぎてしまったので、あてにしてないけれども、あなたのことを恋しく思いながら過ごしている

と詠んだけれど、男は、女のところに通わなくなってしまった。

 

伊勢物語「筒井筒」その1・2・3はこちら。

halusann.hatenablog.com

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