嫌いな古文を好きになるためのブログ

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【古典・古文】接続で判断できないときはどうする?伝聞推定「なり」

伝聞推定の「なり」は終止形接続(ラ変型は連体形接続)、断定の「なり」は体言・連体形接続で、接続がかぶっていることがある。

例えば、直前の語がラ変型だった場合や四段活用だった場合だ(四段活用は終止形、連体形が同型)。

このような場合にどう判断するかを覚えていこう!

 

 

重要

終止形・連体形が同型の語 + なる +名詞 → 伝聞推定

 

 



ほどもなしとか言ふなる身より思ひたまへあまりぬるを、(うつほ物語)

 

 

品詞分解

ほどもなし → 人の命は短いという意味
とか → 格助詞「と」 + 係助詞「か」
言ふ → ハ行 四段活用 終止形(形から終止形と判断)
なる → (伝聞推定 なり 連体形)伝聞 ~そうだ、~という・推定 ~ようだ、~らしい 
身 → 名詞
より → (格助詞)~から
思ひ → ハ行 四段活用 連用形
給へ → ハ行 下二段活用 連用形*1
あまり → (ラ行 四段活用 連用形)あふれる
ぬる → 完了 ぬ 連体形
を → 格助詞

 



現代語訳

人の命は短いとか言うらしい自分の身からあなたを思っております気持ちがあふれてしまったのを、

 






 

 

 

 

 

ポイント

終止形・連体形が同型の語 + なる +名詞 → 伝聞推定
今回はこの形で伝聞推定を判断している。
決まった形できたときはラッキーだ!
しっかりと形を覚えて「なり」を識別できるようにしていこう!

 

その他の伝聞推定についてはこちらから ↓ ↓ ↓

halusann.hatenablog.com

 

 

*1:下二段活用の「給ふ」は謙譲語。普通、会話文や手紙の中で使われる。「思ふ、見る、聞く」などの語の補助動詞として使われる。訳は「~おります、~いたします、~存じます」など