嫌いな古文を好きになるためのブログ

古文の文法や単語をわかりやすく解説。たまに読んだ本の紹介もします。

【古典】格助詞「の・が」 同格・実践問題編

問 現代語訳しなさい。

 

いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。(源氏物語

 

 

いと → (下に打消語を伴って)それほど、たいして~ない

やむごとなき → (形容詞 ク活用 連体形)重大である、高貴だ、格別である

際 → (読み方は「きは」)端、そば、程、身分

に → 断定 なり 連用形 ~である

は → 係助詞

あら → ラ変 未然形

ぬ → 打消 ず 連体形

が → 格助詞 同格 ~で

すぐれて → 副詞  特に、非常に

 ※ 勝れ+て(ラ行 下二段 連用形+接続助詞)が元で、それが副詞化したもの。

時めき → (カ行 四段活用 連用形)寵愛を受ける、時勢に合って栄える

給ふ → (ハ行 四段活用 連体形)お~になる、~なさる

あり → ラ変 連用形

けり → 過去 けり 終止形 ~た

 

 

【考え方】

「が」は連体形・体言に接続するが、連体形に接続した場合、「が」の上に体言を補って訳す。今回は文脈から「方」を補う。

下を見ると、「給ふ」が連体形になっている。ここがポイント。

普通、動詞(あり)の上は連用形になっているはず。

しかし、連体形になっている。

つまりここに体言を補うことができるということ。

ここで先ほどの「方」を補って、「が」を同格の「~で」と訳してみる。

おかしくないので同格と判断する。

 

 

 

 

訳 それほど高貴な身分ではない方で、非常に(帝から)寵愛をお受けになるがいた。

 

 

 

 

 

 

 

ポイント

 同格は難しい。形に敏感になるしかない。

 特に、「が」の同格はめったに出ないから気づきにくい。

 とにかく形に注意してみていこう。