嫌いな古典・古文を好きになるためのブログ

古文の文法や単語をわかりやすく解説。たまに読んだ本の紹介もします。

【古典・古文】どの意味になるの?形容詞「やむごとなし」

わりかし出題頻度が高い「やむごとなし」。

早い段階で習うので目にしたことがある人は多いはず。

多く意味を持つ単語なんで、しっかりと暗記していこう!

 

 

重要

やむごとなし → (形容詞 ク活用)高貴だ、身分が高い、尊い、重大だ、格別だ

 

 

 

 

今は昔、横川の源信僧都大和国、葛下の郡の人なり。幼くして比叡の山に登りて学問して、やむごとなき学生になりにければ、三条の大后の宮の御八講に召されにけり。(今昔物語)

 

 

 

 

品詞分解

今 → 名詞

は → 係助詞

昔 → 名詞

横川の源信僧都(よかはのげんしんそうづ) → (名詞)平安時代天台宗の僧

は → 係助詞

大和国 → (名詞)今の奈良県

葛下(かつげ)の郡 → 奈良県にあった郡

の → (格助詞 連体格)~の

人 → 名詞

なり → (断定 なり 終止形)~である

幼く → 形容詞 ク活用 連用形 

して → (接続助詞)~て 注1

比叡の山 → 名詞

に → (格助詞)~に

登り → ラ行 四段活用 連用形

て → (接続助詞)~て

学問し → サ行変格活用 連用形

て → (接続助詞)~て

やむごとなき → (形容詞 ク活用 連体形)尊い 注2

学生(がくしゃう) → (名詞)比叡山などにこもって学問を修めた者

に → (格助詞)~に

なり → (ラ行 四段活用 連用形)~になる 注3

に → (完了 ぬ 連用形)~てしまう、~てしまった、~た 注4

けれ → 過去 けり 已然形

ば → (接続助詞 順接確定条件)~ので、~ところ、~と

三条の大后の宮 → (名詞)朱雀天皇の第一皇女

の → (格助詞 連体格)~の

御八講 → 法華経を説明する法会

に → (格助詞)~に

召さ → サ行 四段活用 未然形

れ → 受身 る 連用形 注5

に → 完了 ぬ 連用形

けり → 過去 けり 終止形

 

注1 連用形+「して」→ 格助詞「して(~て)」
注2 「やむごとなし」は意味がたくさんあるから文脈判断して意味を選ぶ。今回は僧の話だから「尊い」が合う。
注3 「になり・となり・なりて」の「なり」は動詞。
注4 「に」を「~に」と訳したら格助詞、「にき・にけり・にたり」の「に」は完了。
注5 上に対象を表す格助詞「に」がある場合は受身。
 
 
 
 
 
現代語訳

今となっては昔のことだが、横川の源信僧都は大和の国の葛下郡の人である。幼くて比叡山に登って学問をして、尊い学僧になってしまったので、三条の大后の宮の法会にお招きされてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポイント

意味を覚えるだけの簡単なお仕事。

古典ではありがちなんだが、たくさん意味がある単語は文脈判断しなければならない。

ここが少し面倒なところではあるが、一つの意味だけしか覚えていないと対処できない。

全ての意味をしっかりと覚えよう!

 

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