嫌いな古文を好きになるためのブログ

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【古典・古文】副詞の呼応を完璧に覚えよう!「すべて-打消」

副詞の呼応はかなり出題頻度が高い。

有名な物からそうでないものまであるが、覚えれないほどあるわけではないので、よく出てくるものから順に覚えていこう。

今回の「すべて-打消」はそこそこ出題頻度が高い。

優先的に覚えておきたいものの一つだ!

 

 

重要

すべて - 打消 → まったく、少しも~ない

 

 

 

家に帰りて、すべてものをだにいはず、目をも見合はせず、うちそばむきてあれば、しばしは、なにごとの出で来たるぞやと、心もえず思ひゐたるに、次第に厭ひまさりてかたはらいたきほどなり。(古今著聞集)

 

 

 

品詞分解

家 → 名詞

に → (格助詞)~に

帰り → ラ行 四段活用 連用形 

て (接続助詞)~て

すべて → (副詞)全く、少しも~ない 注1

もの → 名詞

を → 格助詞

だに → (副詞)~さえ、せめて~だけでも

いは → ハ行 四段活用 未然形

ず → 打消 ず 連用形

目 → 名詞

を → 格助詞

も → 係助詞

見合はせ  → サ行 下二段活用 未然形

ず → 打消 ず 連用形

うち → (接頭語)動詞に付いて、ちょっとした動作、素早い動作、力強い動作などを表す。

そばむき → (カ行 四段活用 連用形)横を向く

て → 接続助詞

あれ → ラ変 已然形

ば → (接続助詞)~ので、~ところ、~と

しばし → (副詞)ちょっとの間

は → 係助詞

何事 → 名詞

の → (格助詞 主格)~が

出で来 → (カ変 連用形)現れる、起こる

たる → 完了 たり 連体形

ぞ → 係助詞

や → 係助詞 疑問

と → 格助詞

心 → 名詞

も → 係助詞

得 → ア行 下二段活用 未然形

ず → 打消 ず 連用形 注2

思ひ → ハ行 四段活用 連用形

ゐ → ワ行 上一段活用 連用形

たる → 完了・存続 たり 連体形

に → (接続助詞 逆接確定条件)~のに、~けれども、~のだが

次第に → 副詞

厭ひ → (名詞)嫌がること

まさり → (ラ行 四段活用 連用形)多くなる、増える、つのる

て → 接続助詞

かたはらいたき → (形容詞 ク活用 連体形)気の毒だ、みっともない、きまりが悪い

ほど → 名詞

なり → 断定 なり 終止形

 

注1 「ものをだにいはず」の「ず」と呼応して、「全く、少しも~ない」と訳す。
注2 「心得ず」に係助詞「も」がかまされている。意味は「納得できない、理解できない」。
 
 
現代語訳

家に帰って、全く言葉さえも言わず(口もきかず)、目をも見合わせず、横を向いているので、しばらくは、何事が起ったのかと、理解できないと思っていたが、次第に嫌な気持ちがつのって、気の毒なほどである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポイント

形を覚えて副詞の後に打消語がないか確認するだけの簡単なお仕事。

基本的に覚えていさえすれば見逃すことはほぼない。

副詞の呼応はたくさんあるが、一つ一つ丁寧に覚えよう!

 

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