嫌いな古典・古文を好きになるためのブログ

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【古典・古文】形を覚えれば簡単!係り結びの結びの省略を簡単に見抜く方法

係り結びで厄介なのが結びの省略。

何が省略されているかを考えて現代語訳しなければいけない。

でも、結びの省略の中でも決まった形のものがある。

決まった形があるなら、それを覚えてしまえば一発解決!

全てが決まった形で解決するわけではないが、出題されるのはこの形が多い。

しっかりと覚えていこう!

 

 

 

 

 

【重要】形を覚えよう!

にや・にか → 「あらむ」の省略(~であろうか、~であるだろうか)

にこそ → 「あれ・あらめ」の省略(~である・~であるだろう、~であろう)

 

とぞ・となむ(となん)・とや・とか・とかや → 「言ふ・聞く」の省略

とこそ → 「言へ・聞け」の省略

 

 

 

 

 

 【例】実際の例文を見てみよう!

身のほどよりはいやしげなくて、こよなう思ひ上がりたる人ゆゑ、おほくは世をも倦んじ果て侍るとかや。(木草物語)

 

 

 

 

 

【品詞分解】

身 → 名詞

の → (格助詞 連体格)~の

ほど → 名詞

より → 格助詞

は → 係助詞

いやしげ → (形容詞「いやし」の終止形+接尾語「げ」)みすぼらしい

なく → 形容詞 ク活用 連用形

て → (接続助詞)~て

こよなう → (形容詞 ク活用 連用形 ウ音便)格別である、この上もない

思ひ上がり → (ラ行 四段活用 連用形)気位を高く持つ

たる → (存続 たり 連体形)~ている

人 → 名詞

ゆゑ → 名詞

おほく → 形容詞 ク活用 連用形

は → 係助詞

世 → 名詞

を → (格助詞)~を

も → 係助詞

倦んじ → (サ行変格活用 連用形)うんざりする

果て → (タ行 下二段活用 連用形)動詞の連用形に接続して「すっかり~する」の意味になる

侍る → (ラ行変格活用 連体形 丁寧語)です、ます、ございます

と → 格助詞

か → 係助詞

や → 間投助詞 

 

注 「とかや」とあるのでこの後に「言う」を補って現代語訳をする。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

【現代語訳】

身分のほどよりはみすぼらしくなくて、この上なく気位を高く持っている人のため、多くは世の中をもすっかりうんざり思ってしまいましたとか言うことだよ。

 

 

 

 

 

【ポイント】

形を覚えるだけの簡単なお仕事。

結びの省略はほとんど決まった形を問われるので、簡単に現代語訳することができる。

決まった形以外が問われたら文脈から判断するしかない。

ただ、ほとんど出題されないので、あまり気にする必要はない。

 

係り結びの結びの省略についてはこちらもどうぞ↓ ↓ ↓

halusann.hatenablog.com

 

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