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【古文・古典】簡単にわかる!副助詞「だに」の使い方

副助詞の中でも「だに」はかなり出題頻度が高い。

優先的に覚えておこう!

 

 

重要

だに → ①せめて~だけでも  ②~さえ

 

①は、意志、命令、願望、仮定が後に来ることが多い。

②は、軽いものをあげて、重いものを類推するときに使う。

 

 

 

 

 

 

散りぬとも香をだに残せ梅の花恋しき時の思ひ出にせむ(古今和歌集

 

 

 

品詞分解

散り → ヤ行 四段活用 連用形

ぬ → 完了 ぬ 終止形 

とも → (接続助詞)~ても

香 → 名詞

を → (格助詞)~を

だに → (副助詞)せめて~だけでも 注1

残せ → サ行 四段活用 命令形 注2

梅の花 → (梅+の+花)名詞

恋し → (形容詞 シク活用 連体形

時  → 名詞 

の → (格助詞 連体格)~の

思ひ出 → 名詞

に → (格助詞)~に

せ → サ変 未然形

む → 意志 む 終止形 

 
注1 直後の「残せ」が命令形だから「せめて~だけでも」と訳す。
注2 四段活用は已然形と命令形が同型だが、係り結びがなく、直後が已然形接続の語ではないから命令形と判断し、二句切れになっていると考える。

 

 

 

現代語訳

散ってしまったとしてもせめて香りだけでも残してくれ、梅の花よ。それを恋しい時の思い出にしよう。

 

 

 

 

 

例2

蛍ばかりの光だになし。(竹取物語

 

 

 

品詞分解

蛍  → 名詞

ばかり → (副助詞)~ごろ、~あたり、~ぐらい、~ほど、~だけ、~に過ぎない

の → (格助詞 連体格)~の 注3

光 → 名詞

だに → (副助詞)~さえ

なし → 形容詞 ク活用 終止形

 

注3 直後に意志、命令、願望、仮定がないことから「~さえ」と訳す。
 
 

 

現代語訳

蛍ほどの光さえない。

 

 

 

 

ポイント

後に意志、命令、願望、仮定がないかを探すだけの簡単なお仕事。

ただし、あくまでも目安なんで、「せめて~だけでも」で訳しておかしい時は「~さえ」で訳してみよう。(古文ではこうなると書いてあっても、例外があることを頭に入れておこう。ただ、ほとんどテストでは決まったものでくるよ。)

 

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