「る・らる」の中で最も分かりにくいのが尊敬。
文脈判断に頼る部分があるのである程度内容を把握しないと尊敬だと言い切れない。
見抜けるように練習していこう!
「る」
れ/れ/る/るる/るれ/れよ
接続 四段活用、ナ変、ラ変の未然形
「らる」
られ/られ/らる/らるる/らるれ/られよ
接続 上以外の未然形
意味
受身(れる、られる) 尊敬(~なさる、お~になる) 可能(~できる) 自発(自然と~れる)
「受身、尊敬、可能、自発」の見分け方
① 高貴な人物+「る・らる」 → 尊敬
② 感情・心中を表す語(思ふなど) + 「る・らる」 → 自発
③ 上に「~に」とある、ない場合は補える → 受身
④ 下に打消語がある → 可能
※ あくまでこれは目安であり、100%そうなるとは限らない。ただ、ほとんどの場合これでいけるので、まずはこれを試してみて訳がおかしいなら他をあたる。
女房取りて見るに、「ぞ」文字一つにて、返しをせられたりける、ありがたかりけり。(十訓抄)
返し → (名詞)返事、返歌、など
を → 格助詞 ~を
せ → サ変 未然形
られ → 尊敬 らる 連用形 注1
たり → 完了 たり 連用形
ける → 過去 けり 連体形 注2
ありがたかり → 形容詞 ク活用 連用形 注3
けり → 過去 けり 終止形
女房が手に取ってみると、「ぞ」という文字一つで、返歌をしなさったことは、めったにないことだった。
基本的には高貴な人を探すだけの簡単なお仕事。
ただ、古典は省略の文化。
主語が書いてないことが多い。
結局はある程度読めないと判断できない。
その分他の「受身・可能・自発」に比べると難しい。
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