接続助詞の「ば」には、二通りの使い方があるので、しっかりと判別できるようにしましょう。
判別方法は簡単!
直前の動詞や助動詞が何形になっているかを見るだけ!
未然形+ば → (順接仮定条件)~ならば
已然形+ば → (順接確定条件)~ので、~ところ、~と
仏だによく書き奉らば、百千の家も出で来なむ。(宇治拾遺物語)
仏 → 名詞
だに → 副助詞 せめて~だけでも、~さえ
よく → 形容詞 ク活用 連用形
書き → カ行 四段活用 連用形
奉ら → (ラ行 四段活用 未然形)動詞の連用形に接続しているので補助動詞 お~申し上げる
ば →(接続助詞)直前が未然形になっているので順接仮定条件 ~ならば
百千 → 名詞
の → 格助詞 連体格 ~の
家 → 名詞
も → 係助詞
出で → ダ行 下二段活用 連用形
来 → カ変 連用形
※ 「く」が漢字で書かれると、未然形、連用形、終止形の区別がつかない。その場合はまず、下の接続から判断する。「なむ」は未然形、連用形、連体形接続がある。よってこの「来」は終止形でないことがわかる。未然形か連用形の判断は接続からはつけられない。よって訳して判断する。「きっと~だろう」が合えば連用形、「~してほしい」が合えば未然形。
詳しくは ↓ ↓ ↓ を見よう!
な → 強意 ぬ 未然形
む → 推量 む 終止形
せめて仏だけでもうまく書き申し上げたならば、百や千の家もきっと建つだろう。
※ 「出で来」で「出てくる」が直訳だが、「家が出てくる」だと意味が分からないので、「家が建つ」と訳しかえる。
直前の動詞や助動詞の活用形を判別するだけの簡単なお仕事。
「ば」のように、接続によって意味が変わってくるものが古典にはたくさんある。
そのために、品詞分解はきっちりとできるようにしておこう!
訳だけでなく、「順接仮定条件」という意味も入試で出題されるから覚えておくとグッド。